名古屋高等裁判所 昭和26年(う)775号 判決
茲に於て職権を以て、原判決の法令の適用の当否に付調査すると、原判決は原判示第一の(一)乃至(五)の各窃盗の事実並原判示第二の住居侵入の事実を夫々認定した上、之が法令の適用に際つて、被告人に原判示の前科があるからとして、右各罪の刑に累犯の加重を為し、更に以上の各罪が刑法第四十五条前段の併合罪であるからとして、同法第四十七条第十条により、犯情の重い原判示第一の(一)の窃盗罪の刑に法定の加重を為した刑期範囲内に於て、被告人を処断する旨説示して居るが、右の如き場合に併合罪の加重を為すに付いては、同法第十四条の制限に従て之を為さねばならなかつたのに拘らず、原判決が同法案の適用を示していないのは、右の制限に従て之が加重を為したものと認め難く、従て原判決には其の法令の適用に誤りがあり、然かも其の誤りは判決に影響を及ぼすことが明らかなものと謂わなければならぬ。